読み物
台峯コラム 2025年(令和7年)4月
台峯の周辺 第2期-2 (通算24) 私の園芸
本田 隆史
以下は、私が庭に植えたものの例です。
1.大麦
先日は某超大国の国家元首が国際協定や国際機関との関係見直しなどと並べてわざわざ大統領令を発し、政府施設内のストローは紙製を廃してプラスティック製とする旨を命じたとのこと。大統領が直々に、とはストローも偉くなったものだ。が、何も素材は紙やプラしかない訳でもないし、またそもそも製作せねばならぬものでもなかろう。 その少し前に、偶々台峯で飲物用に麦藁strawのストローを持参したところ、皆に大いに珍しがられた。しかし、私は幼小時に使用した記憶があり、戦後もしばらくは家庭で普通に用いられていたのではなかろうか。藁なら元首の仰せられる「壊れたり、破裂したり、熱いと数秒で持たなくなる」ことも、また海を汚染することもない。

<ストローと10円玉>
持参したのは、数年前に庭で育てた大麦の、カットした藁である。立派に役だつが、昔使ったものはもっと太く、長かったような気がする。そんな具合に育てられれば、売って元手とし、いずれは藁しべ長者の如くになる算段だったのだが。
2. ホップ
当会「山の手入れ」ではカナムグラの除去が一仕事だ。細かなトゲがある上、生命力が強く、根から抜かぬとすぐ繁茂する厄介な存在である。汗だくで作業していると、仲間が教えてくれた、「ホップの親類なんだ」と。
それを聞いて、以前自宅空き地にホップの苗を植えたことを想い出した。キュウリかアサガオ位の心算で蔓を巻かせるワイヤを手の届く高さ位まで張ったのだが、蔓は伸びてとても足りず、1階軒下まで延長してもダメ、結局2階屋根まで延ばすと何とか納まってくれたので、ひとまずホッとした。
が、それも束の間、何やら2cm位の黒い毛虫が沢山これを伝わって上ってくる。やがて外壁は毛虫だらけに。更には室内に侵入する輩もあって、家ぢゅうがパニックに陥ってしまった。 でも、これが上手く雌花を咲かせてくれたら、前述の大麦と併せてビールを作り、地元産として大々的に販売して儲けたいと思ったのだが、、、結果としては不出来な花が3つのみ。飲み屋に持参して、皆に「これがビールのもとだ」と疲労、いや披露しただけ。
3.カラタチバナ
赤く可愛い実をつけるカラタチバナという苗を園芸カタログで見つけ、早速注文したことがある。期待通りの実がなって喜んでいたところ、老母に叱られてしまった。
マンリョウ、センリョウはどこの庭にもよくあるが、この木は別名をヒャクリョウといい、ジュウリョウのヤブコウジ、イチリョウのアリドオシと同様で、庭に植えると、その家は貧乏になってしまうものらしい。
そのためか、藁しべ長者のようにはなれずに、今日まで倹(つま)しい暮らしが続いている。
印刷用原稿:私の園芸(PDF版)
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